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【ちひろ美術館】「いわさきちひろ×佐藤卓=展」

いわさきちひろ×佐藤卓=展

3年位前から、毎年1回は下石神井にある、ちひろ美術館・東京に足を運んでいます。 言わずと知れた、イラストレーター・いわさきちひろさんの美術館。

最寄り駅は西武新宿線上井草駅なのですが、西武池袋線沿線の自分としては電車だとちょっと行きづらい場所。 バスも石神井公園からしか出ていないので、ここに行くときはいつも自転車をこいでいます。 30分ほどだから、たぶん電車で行くのと同じかちょっと早いくらい。 江古田~練馬民の方は、千川通りを中野区・杉並区とずっと下っていって、環八通りの交差点も通り過ぎて、新青梅街道の交差点のところで、横断歩道を渡って右折、ほどなくしてちひろ美術館に出逢えます。

さて、今年の夏は「いわさきちひろ×佐藤卓=展」が開催されていました。 佐藤卓さんは、多くの商品デザイン等を手掛けるグラフィックデザイナーで、ちひろ美術館のロゴも手掛けられたそうです。

展示室1では、そんな佐藤さんの作品を箱の中に展示した「佐藤卓のデザイン採集」。明治の「おいしい牛乳」やロッテの「キシリトールガム」など、普段何気なく目にしている商品が美術品のように飾られている不思議な空間です。 こうした、当たり前の日常に存在する、刷り込まれていること自体が芸術なのかもしれませんね。(と自分で書いておきながらよく意味がわかっていません(^^;)

2階の展示室2では、佐藤卓さんが選んだ、いわさきちひろさんの作品パート1です。ちひろさんというと、水彩絵の具を使った淡い飴玉みたいな色彩を使ったイラストが特徴ですが、敢えて、「モノクロの絵」をテーマに選んでいました。 実際、ちひろさんがモノクロでデッサンされた絵も沢山あるようでした。草花や子供の絵、ふしぎな空間など題材は様々。ヨーロッパの街並みやローマの街並みなどもありました。 解説にも書いてありましたが、ちひろさんの描くモノクロの絵は、濃淡や太さが自在に操られていて、モノクロなのにカラフルに感じられました。

展示室3は、いつものちひろのアトリエがあり、改めて年表や写真などゆっくり見てみました。その横には、佐藤卓さんが選んだ、いわさきちひろさんの作品パート2。 今度は、カラフルな作品がメイン。殆ど子供の作品だったかな。風船で空に浮かび上がる男の子の絵が好きでした。

最後に、展示室4では「実験」「ワークショップ」と称して、この展覧会の要である「いわさきちひろ×佐藤卓=展」が実施されていました。 初めに展示室1で見た“箱”の中に、ちひろさんの作品(平面)とそこからイメージした佐藤さんの作品(立体)が入っていて何とも絶妙。 全部が全部、インスピレーションが湧いたわけではありませんでしたが、幾つかは「うんうん、わかる」というものもありました。 赤ちゃんの絵に木の石が置かれているのとか。 あとは、天井から“バナー”と呼ばれ、白い布が吊るされていました。ここにちひろさんの絵がプリントされています。何とも不思議な作品です。 端っこには、読書室で行っている参加型の試みが紹介されていました。それには、4枚の線画がお題となっていて、ここから自由に絵を描いて欲しいというもの。 読書室で描いた絵のなかから何点かがこの展示室に飾ってあり、老若男女、様々な想像を働かせて絵を描いていました。私も時間があれば描きたかったな(^^)

私に子供はいないけれども、いわさきちひろさんの「世界中のこども みんなに 平和としあわせを(※)」という言葉には共感します。 絵や音楽など芸術を通じて世界が平和になってくれるなら、これほど嬉しいことはありません。

また来年も足を運びたいと思います。

【アクセス】

ちひろ美術館東京」 東京都練馬区石神井4-7-2

【参考】

※…ちひろ美術館・東京パンフレットより引用